水彩画用紙の選び方・テスト2
■テストのやり方スタイルによって紙の評価は、違ってきますので、 あくまでも私の現在のスタイルに近い塗り方でのテストです。 テスト会場 ○今回は、もちろん水を多く使って描くWet-in-wetで行います。 ○絵具は、画材屋さんならどこでも売っているホルベインを使いましょう。 ○水張りはしません。 ○簡単な風景を描いて見ます。木が一本草原に立っている・・・という感じです。
1)まず、鉛筆4Bで下書きします。 2)空の部分を14号の丸筆で水を塗ります。 3)2、3分待って、表面が乾かないうちに絵具を塗ります。 4)色はウルトラマリン。 この青色は、塗った後の紙目を目立たせるので、テストにはいいでしょう。 |
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■1)アルシュ 300g 荒目 厚さ・・300gは、しっかりしているので、少々水で塗らしても、ほとんどたわみません。 紙目・・ ランダムな手すきっぽい感じの自然な凸凹の紙目。 このやわらかな感じが、とても好きです。 しかし、普通の描き方(Wet-in-wetではない)には、荒目すぎるかもしれません。 その場合は、細目がおすすめです。
発色・・よく発色してくれます。
にじみ方・・自然にうまくのびます。 さすがに高価なだけあります。 |
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■ワーグマン 350g厚さ・・ アルシュ300gよりも厚いので、しっかりしています。 50gの違いは大きいですね。
紙目・・下のコットマン、ワトソンよりも、アルシュに近い・・・・結構凸凹があります。期待できそうです。 発色・・アルシュほどではないけれど、よく発色してくれます。
にじみ方・・おやおや・・・!?凸凹の凹のところに絵具がたまって、スポンジのような目の後がかなりしっかり残ってしまいました。 染み込みが悪い? |
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■ホワイト ワトソン スケッチブック 190g厚さ・・ちょっと薄いのでだいぶたわでしまいました。 紙目・・均一な機械的な紙目が、気になります。 発色・・ アルシュ、ワーグマンよりも、このレベルの紙になると、ガクンと発色がにぶくなる感じです。 もちろん、使えないほどではありません。 あくまでも横にアルシュなどを置いた場合、違いが気になるというところです。
にじみ方・・凸凹にたまる絵具のムラがあります。 |
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■ホワイト ワトソン ブロック 300g厚さ・・300gですしブロックなので、水をたくさん使ってもあまりたわみません。 紙目・・上のホワイト ワトソン スケッチブックよりも、紙目はかなり滑らかです。細目のよう。
発色・・ 発色が弱い。物足りない。でも、よく言えばソフトな発色。他の色はどうでしょう・・?
にじみ方・・ソフトに自然に、にじみました。というか、目が細いので、その分機械的な網目が目立ちません。 |
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■コットマン レンガ色表紙 荒目 230g厚さ・・230gは、水をたくさん使うと、たわみます。水張りが必要かどうかの境目。 紙目・・ワトソン スケッチブックに感じが似ています。機械的な均一な紙目があります。 発色・・適度に発色しています。ホワイト ワトソンとほぼ同じですが、ワトソンの方が少し良い発色。
にじみ方・・これも、凸凹の機械的な目が、ウロコ状に目立ってしまいました。 凸のところが白くのこり、凹のところに絵具が集中して、ウロコの模様ができています。 |
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■オールドマスター 荒目 230g厚さ・・やはり230gは、水をたくさん使うと、かなりたわみます。水張りが必要かどうかの境目。 スケッチ的な描き方によっては、水張りは必要ないだろう。 紙目・・コットマンに感じがとてもとても似ています。機械的な均一な紙目があります。 発色・・コットマンとほとんど同じです。 にじみ方・・ 凸凹の機械的な目が、ウロコ状に目立ってしまいました。 凸のところが白くのこり、凹のところに絵具が集中して、ウロコの模様ができました。 これもコットマンと同じです。 |
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名前
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評価
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紙目の見た目の感想
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アルシュ |
9
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自然な手すきのようでソフト |
ワーグマン |
8
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見た目はアルシュに似ているが、やや機械的で、ソフトさにかける |
ワトソン スケッチブック |
6 |
コットマンより 少し自然 |
ワトソン ブロック |
5 |
ワトソンスケッチブックより かなり細目 |
コットマン |
5 |
機械的な紙目だが、 |
オールド マスター |
5 |
機械的な紙目 |
スケッチブック |
3
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変な機械的な紙目ではないが、 自然な紙目というよりは、ムラがあるという感じ |
今回は、色むらが目立ちやすいウルトラマリンを、一色だけ使ったので、
発色、色むら、にじみ、などの評価は、まだしませんでした。
次回は、この絵の上に、更に絵具を重ねて、発色、にじめをもう少し確かめてみましょう。