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水彩画インフォメーション

水彩画の描き方を基礎からご説明しています。基礎的な水彩画のテクニックの他に、オリジナルな描き方・水彩画のQ&A・・etc。 動画の説明も、どんどん追加中!

水彩画用紙の選び方・テスト2

 

テストのやり方

スタイルによって紙の評価は、違ってきますので、

あくまでも私の現在のスタイルに近い塗り方でのテストです。

テスト会場

○今回は、もちろん水を多く使って描くWet-in-wetで行います。

○絵具は、画材屋さんならどこでも売っているホルベインを使いましょう。

○水張りはしません。

○簡単な風景を描いて見ます。木が一本草原に立っている・・・という感じです。

 

1)まず、鉛筆4Bで下書きします。

2)空の部分を14号の丸筆で水を塗ります。

3)2、3分待って、表面が乾かないうちに絵具を塗ります。

4)色はウルトラマリン。

この青色は、塗った後の紙目を目立たせるので、テストにはいいでしょう。

1)アルシュ 300g 荒目

厚さ・・300gは、しっかりしているので、少々水で塗らしても、ほとんどたわみません。

紙目・・

ランダムな手すきっぽい感じの自然な凸凹の紙目。

このやわらかな感じが、とても好きです。

しかし、普通の描き方(Wet-in-wetではない)には、荒目すぎるかもしれません。

その場合は、細目がおすすめです。

 

発色・・よく発色してくれます。

 

にじみ方・・自然にうまくのびます。

さすがに高価なだけあります。

ワーグマン 350g


厚さ・・

アルシュ300gよりも厚いので、しっかりしています。

50gの違いは大きいですね。

 

紙目・・下のコットマン、ワトソンよりも、アルシュに近い・・・・結構凸凹があります。期待できそうです。

発色・・アルシュほどではないけれど、よく発色してくれます。

 

にじみ方・・おやおや・・・!?凸凹の凹のところに絵具がたまって、スポンジのような目の後がかなりしっかり残ってしまいました。

染み込みが悪い?

ホワイト ワトソン スケッチブック 190g 

厚さ・・ちょっと薄いのでだいぶたわでしまいました。

紙目・・均一な機械的な紙目が、気になります。

発色・・

アルシュ、ワーグマンよりも、このレベルの紙になると、ガクンと発色がにぶくなる感じです。

もちろん、使えないほどではありません。

あくまでも横にアルシュなどを置いた場合、違いが気になるというところです。

 

にじみ方・・凸凹にたまる絵具のムラがあります。

ホワイト ワトソン ブロック 300g 

厚さ・・300gですしブロックなので、水をたくさん使ってもあまりたわみません。

紙目・・上のホワイト ワトソン スケッチブックよりも、紙目はかなり滑らかです。細目のよう。

画材店では、「ワトソンは全部同じ目。」と言っていたのですが・・かなり違いますね。

 

発色・・

発色が弱い。物足りない。でも、よく言えばソフトな発色。他の色はどうでしょう・・?

 

にじみ方・・ソフトに自然に、にじみました。というか、目が細いので、その分機械的な網目が目立ちません。

コットマン レンガ色表紙 荒目 230g 

厚さ・・230gは、水をたくさん使うと、たわみます。水張りが必要かどうかの境目。

紙目・・ワトソン スケッチブックに感じが似ています。機械的な均一な紙目があります。

発色・・適度に発色しています。ホワイト ワトソンとほぼ同じですが、ワトソンの方が少し良い発色。

 

にじみ方・・これも、凸凹の機械的な目が、ウロコ状に目立ってしまいました。

凸のところが白くのこり、凹のところに絵具が集中して、ウロコの模様ができています。

オールドマスター 荒目 230g 

厚さ・・やはり230gは、水をたくさん使うと、かなりたわみます。水張りが必要かどうかの境目。

スケッチ的な描き方によっては、水張りは必要ないだろう。

紙目・・コットマンに感じがとてもとても似ています。機械的な均一な紙目があります。

発色・・コットマンとほとんど同じです。

にじみ方・・

凸凹の機械的な目が、ウロコ状に目立ってしまいました。

凸のところが白くのこり、凹のところに絵具が集中して、ウロコの模様ができました。

これもコットマンと同じです。

スケッチブック 黄色と黒の表紙 

一番安いこのスケッチブックはどうでしょう?

厚さ・・

100g以下くらい??やはり、この薄さなら水張りが必要ですが、この紙を水張りして描く人はいないでしょう。あくまでもスケッチ用です。

 

紙目・・細目。鉛筆で描く時、ちょっとスリップする感じで、紙に引っ掛かりがありません。

発色・・適度に発色していますが、ムラがあります。

にじみ方・・

細目であまり水を吸い込まないせいか、絵具が表面を流れてしまい、かなり色むらが起こります。紙が薄いので、水でたくさんの凹凸ができ、そこに絵具がたまって色むらが起こるようです。更に、紙に自然に絵具が吸い込まないので、それも色むらの原因でしょう。 Wet-in-wetで使うには、かなり難しい紙であることが、わかります。

紙目の評価

 点数が低い=悪い紙、というわけではなく、Wet-in-wet技法を使った場合の評価です。

 10点が最高、1点が最低。  5点以上は、Wet-in-wetに問題なく使えそうです。

名前
評価
紙目の見た目の感想
アルシュ
9
自然な手すきのようでソフト
ワーグマン
8

見た目はアルシュに似ているが、やや機械的で、ソフトさにかける
ゴツゴツした感じ

ワトソン スケッチブック

6

コットマンより 少し自然
ワトソン ブロック

5

ワトソンスケッチブックより かなり細目
コットマン

5

機械的な紙目だが、
オールド マスターよりはいくぶん自然

オールド マスター

5

機械的な紙目
スケッチブック
3
変な機械的な紙目ではないが、
自然な紙目というよりは、ムラがあるという感じ

 

今回は、色むらが目立ちやすいウルトラマリンを、一色だけ使ったので、

発色、色むら、にじみ、などの評価は、まだしませんでした。

 

次回は、この絵の上に、更に絵具を重ねて、発色、にじめをもう少し確かめてみましょう。