画廊などでときどき、「美○年鑑」という電話帳のようなものが置いてあるのだけど、
                        その存在を知っている人は、すでにちょっと美術通だといえる。
                        
                      まあ、このページを見ているという事実は、すでに美術通だけど・・
                      
                        
                      
                        この「美○年鑑」、知らない人のために説明しよう!
                        中には、作家の名前が書いてあって、作品が一号○万円〜と、書いてある。
                        とっても親切なものだ。
                        何冊か似たようなものがあるので、ここでの「美術○年鑑」というのは、あくまでも仮名だ。
                        
                        だいたい、どれも似た構成になっていて、ページの一番下に書いてあるのが、一番安い作家。
                        一番上は高い。
                        
                        これを見れば、作家のランキングが一目でわかる。
                        まあ、簡単に言えばオリコンランキング、または、
                        大学偏差値ランキングの画家版のような、もの・・・(のように見える)
                        
                        「わあ〜、画家になったら、この年鑑の一番上の方に載るようになりたいわ・・・」
                        と、思う若い画家の卵もいるかもしれない。
                        
                        
                        「この作品を描いた画家は、一号○万円かあ・・・すごいなあ。
                        そのわりに、この絵は安いじゃないか。特価だ!買いだ!しめしめ・・」
                        と、画廊で絵を買おうと思っている人は思うかもしれない。
                        
                        
                        
                        一方、この間、初めて田舎でやっていた作家の個展で、
                        絵を気に入って買ってしまったBさんは、この年鑑を見て驚いた。
                        
                        「あら、いやだわ。私の買ったあの絵の作家さん。
                        年鑑に名前載ってないじゃないの・・・!まあ、きっと、もぐりの作家ね。がっかりだわ。」
                        
                        Bさんは、それまで気に入ったと思っていた絵も、すっかり価値の無いものに思えてきた。
                        
                        なんとも便利な美○年鑑だけど、さて、その実態は?