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水彩画インフォメーション

水彩画の描き方を基礎からご説明しています。基礎的な水彩画のテクニックの他に、オリジナルな描き方・水彩画のQ&A・・etc。 動画の説明も、どんどん追加中!

アンドリュー・ワイエス展 福島県立美術館での体験記-4・・・クリック!(最終回)

アンドリュー・ワイエスのビデオインタビューのつづき

このビデオはおもしろかったので、
2回も見てしまった。

お孫さんは、耳が遠い人にしゃべるみたいに、 ゆっくりゆっくり話すが、
ワイエスの方は、ぜんぜん耳は遠くありませんよ〜
っていう感じで、普通にしゃべっていた。
(アンドリュー・ワイエスは耳が遠かったのかな・・・?)

インタビューの中でDepthに続いてもう一つ心に残ったことが、
ワイエスがどのような時に描いたか。

「何かが心をクリックした時に、絵を描きますのじゃ・・・」

と、ワイエスは答えていた。


ワイエスが、何に心をクリックされたかは、絵をみればすぐにわかるけど、
それは普通、絵描きが描くものとは違う。

水害のあとの鉄線にからまった草。
死んだカモメをぶらさげた鳥よけの案山子。
足を引きずる中年の女性。
ドイツ兵の鉄兜。

どれも普通は描かないだろう。
それがワイエスのワイエスたるところだと思う。
ニューヨークでは現代絵画が華々しくもてはやされていた頃、
アンドリュー・ワイエスは田舎で、死んだカモメを描いていた。
(僕はこのカモメの案山子の絵が、とても気に入ったけど・・・)

僕が最近よく旅をするのも
心をクリックしてくれるものに出会いたいからだ。
それがないと水彩画も描けない。
まあ、旅芸人のような感じかな?

アンドリュー・ワイエスは自分の生活する周りに
クリックをたくさん見つけ出すことができた。
幸せな人だ。

お父さんの影響

アンドリュー・ワイエスのお父さんは、N.C.ワイエスで、
こちらは有名な(超有名)挿絵画家。

昔の挿絵画家だから、
今のようにペン画ではなくて、 本格的な油絵だ。

そのお父さんが使っていたスタジオもビデオにでたが、
高い天井に壁一面がガラス張りの宮殿のようなスペースだった。

N.C.ワイエスの絵は仰々しいものが多い。
ロビンフッドの冒険など、冒険物をよく描いていた。

スタジオをビデオで見て思ったことは、
アンドリューと違って、とても外交的で派手な感じの人だったのではないか、ということ。

アンドリューはどちらかというと、引きこもりのような感じだったから、
ずいぶんと父親からプレッシャーがあったのではないだろうか。
父親の影響で、田舎に閉じこもっていたのかも・・・・

しかし、その父もアンドリューが28歳の時に交通事故で突然なくなってしまった。

福島県立美術館

いろいろとアンドリュー・ワイエスの絵を見て、
思ったことを書いてしまったけれど、福島県立美術館は、とっても良かった。

とくにカップル割引!^^
(いつもやってるのかな?)

アンドリュー・ワイエス展を見た後に2階にある常設展も楽しんだ。

自分の好きな作家の絵のコピーの下にシールを貼る、っていうアンケートの方法もおもしろかった。

那須からはちょっと遠いけれど、 またぜひ訪問したい美術館だ。

最後に

アンドリュー・ワイエスの絵に最初に会ったのは、
僕が大学生の頃、京都の美術館以来だから、
もう30年以上も前。

今は、何故か僕も水彩画家・・・それも、アンドリュー・ワイエスの影響があったと思う。

NYに留学したから、フィラデルフィアも知っているし、N.C.ワイエスの原画の下でよく本を読んでいた(図書館で)。
その頃は、まだアンドリューおじさんも、ご近所のペンシルバニアで生きていたんだなあ・・・
本人に会えないとしても、スタジオには行きたかったなあ・・

なんだか、とってもアンドリュー・ワイエスが身近な人に思えたと同時に、
深いところで心に響く 彼の絵のすごさ、偉大さに改めて感動した福島の旅だった。

そうだ、ヤンキー娘のお孫さん(ヴィクトリア・ワイエス)くらいなら、会えるかも・・・

***End***