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水彩画インフォメーション

水彩画の描き方を基礎からご説明しています。基礎的な水彩画のテクニックの他に、オリジナルな描き方・水彩画のQ&A・・etc。 動画の説明も、どんどん追加中!

アンドリュー・ワイエス展 福島県立美術館での体験記-3・・・Depth

ワイエスは良いおじいさんだった

展示の途中にビデオコーナーがあって、
ワイエスがしゃべっているの見ることができた。

派手な、いかにもヤンキー娘という感じのお孫さんにインタビューを受けるワイエス。
(しかし、この孫娘とワイエスの両極端はなんだ!)

ワイエスは何だか、普通の人の良いおじいさん。

話す姿を見たのは初めてだったので、
とっても親近感が感じられた。

このおじいさんが、今年1月まで生きていて、
フィラデルフィアとメインを行ったり来たりしながら
のんびりと?絵を描いていたんだな・・

「水彩画とテンペラと油絵・・・など、 どのように使い分けるの?」

っていうインタビューに答えて

「別に計画的じゃないんじゃ。
その時、自分の望む”深み”を出せる方法でやるだけじゃなあ・・・ 」

なんて答えていた。

僕はこの”深み”(テロップでこの和訳を使っていたかどうか??
疑問だけどだいたいこんな和訳だった)に引っかかった。

この時、ワイエスは英語でdepthという言葉を使っていた。

depthっていうのは”深み”っていう日本語だけど、
油絵から始まって水彩画まで、とにかく伝統的な描き方のキーワードだ。

遠近感がある、色が複雑で浅くない、などの意味も含まれし、
精神的なものがうまく現われた・・・
というものまで含まれるような気がする、と僕は思っている 。

念の為、英英辞書を引いてみた。(今)
(この辺が、まじめな僕だ・・)

The distance form the front to the back of something.
という意味と同時に、
The strength and power of feelings.
なのだ。
(オックスフォード英英辞典より)

やっぱり、フィーリングの強さとかパワーとかも含まれるんだね!!
初めて確認できた。
一つ勉強になった。
(とたんに一つ忘れるけど・・)

ワイエスは、このdepthがうまく表現できる技法を、その時その時で選択していたということだと思う。
単に遠近感だけでゃなくて、

”精神的な何かを表現するため”

水彩画で習作を描いていて、しかも何枚も描いていて、
その時にこれはテンペラでやろうとか・・・決めるのだろうか。

アンドリュー・ワイエスは水彩画が一番好きだったのだろうけど、
必要なdepthを出すためにテンペラで完成させたのだろう。
水彩画ではテンペラのあの透明な重厚さは出しにくい。

ビデオインタビューでは、もう一つ引っかかる部分があった。