アンドリュー・ワイエスが亡くなった
時期をずらしての正月帰省の帰り、
大阪からの飛行機の中で、ふだん見ていない新聞を手にしたら、
アンドリュー・ワイエスが亡くなった、という記事が目に付きました。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090117ddm041060018000c.html
大阪での学生時代、京都の美術館によく絵を見に行きました。
その中で、一番印象に残ったのが、アンドリュー・ワイエス展です。
少年が牧草地に座っている絵がポスターになっていましたが、
一本一本丁寧に描かれた牧草に、まず驚きました。
テンペラという画法、というのも知らなかったし、
とにかく精密な絵なのに、独特の世界観があって、
心に刻まれました。
ウォーホールなどの抽象画が人気の中で、
がんこ?に具象の抽象画をテンペラや水彩で描き続けた画家だと知ったのは、
最近になってからです。
それまでは、ワイエスの時代は具象画の時代なのだと思っていました。
NYに絵の勉強に行ってからは、お父さんのN.C.ワイエスの方が、ぼくにとっては身近な人になりました。
ぼくと同じ挿絵画家だったからです。
留学前に挿絵の仕事をしていたので、とても身近に感じました。
といっても、N.C.ワイエスの絵は僕の線画とは比べようもない本格的な油絵の挿絵です。
ロビンフッドの挿絵の原画がNYの図書館に飾られていましたが、 結構大きなもので30号くらい?
昔の挿絵画家の絵の完成度の高さに驚きました。
よく、 その絵を見ながら図書館で本を読んでいました。
息子のアンドリューは、「クリスティーナの世界」で有名ですから、 日本人にとっても人気がありますね。
何度も何度も日本でも展覧会が開かれています。
アンドリューの時代はすでに現代アートがメインの時代です。
その中で孤高に風景画を描き続けた人です。