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水彩画インフォメーション

花の絵の描き方-2

繰り返しになりますが、絵の具の塗り方、とくにWet-in-wetのやり方に慣れることが大事です。形をとらえたり、構図を考えるのはまだ先です。

花を描く2回目

前回は、ここまでできました。(写真)

水彩画の描き方・下絵

初級者の方は、ここまでのテクニックで何枚か描いてみましょう。

Wet-in-wetの技法だけでも、いろんな絵が描けます。

Wet-in-wetは、きれいな水を塗って、乾かないうちに絵の具をたらし込む技法でしたね。

 

 

Lift-out

花弁をLift-out技法で描きます。

絵の具を浮かび上がらせLift取り除くOut技法です。

-->Lift-Outの説明

 水彩画・リフトアウト

完全には下の絵の具は取れませんが、それでかまいません。

※必ず下の絵の具を、完全に乾かしてから行います。

 

■ 背景に2回目の水を塗る

背景の色を深め、花弁の形を整えるために、

また水を背景に塗って、Wet-in-wetを行います。

 水彩画・背景を塗る

背景が濃くなると花弁もはっきり見えるようになります。

 

 

■ 絵の具を水に落とす

水が乾かないうちに、背景に2回目の色を塗っていきます。

 水彩画・花の絵

この時、同時に花弁の形を整えていきます。

花弁を描くのではなくて、背景を塗ることによって、花弁を浮き上がらせていくのです。

写真では、緑を塗りながら、白い花弁を浮き立たせています。

 

 

■ 葉の部分をLift-out

綺麗な水を含ませた筆を使い、Lift-outで茎と葉っぱを白く浮かび上がらせます。

水彩画・リフトアウト

今回は、葉っぱの部分は実物が目の前にありませんが、何となくそこに葉っぱが感じられるくらいでいいのです。

 

■ 背景の空気感を描く

完全に乾かしてから、背景に色を重ねる作業を数回重ねながら、少しずつ花弁を浮かび上がらせています。

背景の空気感を描くつもりです。

水彩画・背景の空気感を出す

自然乾燥を待たなくていいのです。しっかりドライヤーを使います。

 

今回は、少しオレンジっぽい色を重ねてみます。

 

 

おしべの部分を塗る

最後に、花のおしべの部分を、

黄色で点々という感じで塗って花粉ぽい感じにします。

カドミウムイエローという色で塗っています。
この色は不透明度が強いので、重ねて塗るのに適しています。

 

水彩画の描き方・花の描き方
 

完成

だいたいこんな感じで、できあがりにします。

 水彩画・花の絵

Wet-in-wet と Lift-out 繰り返しを説明しましたが、

完成までには、ここでは説明できなかった技法も使っています。今回は説明が複雑になるので省きましたが、主な技法はこの二つです。

まず、Wet-in-wet と Lift-out を試してください。
やってみると、ぜんぜん難しくありませんよ。

水彩画は、筆で鉛筆の下描きに沿って絵の具を塗るだけではない、ということをまず知っていただきたいと思いこの二つの技法を最初に説明しました。

 

比べる

 

前回の絵とだいぶ雰囲気が変りました。

水彩画の下絵

しかし、絵としては前回の絵もなかなかおもしろいです。

今回の方は時間をかけた分、リアルでソフトな感じになりました。

 

同じモチーフ、同じ紙、同じ絵の具でも、これだけ違う作品ができる。

 水彩画のモチーフ・花一輪

水彩画のおもしろいところです。

 

さあ、水彩画で楽しい時間をすごしてください!