水彩画インフォメーション
20分でできる水張りの方法
東京で、イラストレータの先輩のSさんに最初に教わったこと・・「水張り」。
目の前で、コピー用紙よりも、まだ薄い紙(水張りが難しい)を、見事に水張りしてくれました。
■ 波打つ水彩用紙
水彩画を描いていると、紙がたわむ、波打つ、へこんだところに絵の具たたまると、思ったように描けないですよね。
紙は水にぬれると、繊維が伸びるからです。
これを避けるために、描く前に紙を「水張り」(みずばり)します。
普通、「水張り」は水に紙を付けて20分・・・乾かすのに一晩・・・まる一日もかかってしまいます。
その間にせっかく高まった絵を描くモチベーションがなくなってしまうのが・・・なさけない僕の日常です。
そこで今回は、僕がやっている絵を描きたいと思ってから、「20分でできる水張り方法」をご紹介します。
A3サイズくらいまでなら、この方法で問題ありませんが、水張りは慣れが必要です。
何回かやっているうちに、自然にできるようになりますし、失敗してもいいのです。
■ 必要なもの
○ 水張り用テープ
画材屋さんで売っています。白色または緑色の紙テープで、裏に糊がついています。この糊の面に水を付けて使います。
○ ベニヤ板
普通のホームセンターにあるもので十分。5mmくらいが適当ですが、何ミリでもOKです。
○ ハケ
やわらかい毛のもの。絵用のものがお勧め。
■ それではやってみましょう!
○紙を用意します
今回はハガキサイズの絵を描こうと思うので、紙をハガキの3倍くらいの大きさにカットしました。
紙は、アルシュ細目の300gです。
前もって、裏に鉛筆で「×」印を付けておきます。こうしないと、どちらが表か分からなくなります。
○水張りテープを前もって4本切ります 。
テープのサイズは紙の上下左右の長さより少し長め。
※必ず、前もってテープをカットしておきましょう。水を使ってからテープを触ると、糊が手について面倒です。
※ベニヤ板は、描く紙のサイズに合わせて、前もって大中小、数枚をカットしておくと、今後助かります。
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○ハケを使って、綺麗な水をたっぷり紙の両面に塗ります
紙を傷付けないように、やさしく・・・両面に・・
最初は裏から、次に表面を塗りましょう。
水を付ける場合、洗面所や風呂桶などを使って、紙を一晩寝かせるのが一般的ですが、このくらいのサイズだと、ハケで大丈夫です。
絵を描くモチベーションが下がらないうちに、さっさと水張りをしてしまいましょう。
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○キッチンタイマーを使って10分待ちます
途中5分くらいのところで、もう一度、紙の両面に水を塗ります。
ハケで塗る場合、どうしても水の量が不足しがちで、途中で乾いてしまうので、このように途中で水を追加します。
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○時間がきたら、水張りテープを貼ります
上下、左右の順に貼りました。
左右、上下の順でもいいです。
このときのコツは、ツメを使って、テープをゴシゴシとしっかり板にくっつけてください。
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全体が貼り終わりました。
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○ドライヤーで乾かします。
乾かすために、一晩寝かせておくのが理想的ですが、僕は気が短いので、ドライヤーで乾かしてしまいます。
この程度の小さな紙でしたら、ドライヤーで問題ありません。
乾けば出来上がりです!
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○絵を描きましょう
あたりまえですが、絵はこのままの状態で描きます。
せっかく水張りしたのに、絵を描く前に紙を板からはがしてはいけません。(実はよくやる間違い)
この状態でも絵の具を塗ると、やはり紙がたわみますが、水張りしているので、絵の具が乾くと自然に紙がピンと張るので大丈夫です。
絵が完成したら、テープに沿ってカッターナイフで切って、絵の部分だけ大切に取り出します。
その後、テープを板から剥がします。
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