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水彩画インフォメーション

水彩画の描き方を基礎からご説明しています。基礎的な水彩画のテクニックの他に、オリジナルな描き方・水彩画のQ&A・・etc。 動画の説明も、どんどん追加中!

アンドリュー・ワイエス展 福島県立美術館での体験記-2・・・アンドリュー・ワイエスは魔術師?

アンドリュー・ワイエス展の内部

広い展示場に入ったとたん、
カップル割引で400円もお徳になった!!エヘラエヘラ・・と喜んでいた心は
どこかへ飛んでしまった。

壁面にずら〜っと並べられているアンドリュー・ワイエスの絵に出会ったとたん、
心にズ〜ンと響いてくるような感覚。

理屈ではない、この感覚って・・・?
久しぶり。
まだ、絵をそばで見ていないのに・・・


水彩画が多い。

今回の展示は、習作が多いため、水彩画がたくさん飾られている。
中には、完成品よりも習作である水彩画の方がこころを強く惹かれるものもある。


ワイエスって、水彩画家だなあ・・

ワイエスの寂寥感、孤独感、何ともいえない不思議な世界。

ワイエスの絵は、田舎の納屋だの、バケツだの、
本当にありきたりなものが多い。
しかも、色はどれも似ていてどこか赤っぽく深い深い黒色と 茶系の色だ。

とても明るい絵とはいえない。
テーマも足が不自由なクリスティだの、
とっても頑固そうなクリスティの弟。

自分が住んでいた周り数マイルのものを
毎日描いているだけ。

習作はほとんど水彩画。
完成品よりも自由に動く筆使いがわかって、おもしろい。
楽しみながら水彩画を描くワイエスの姿が浮かんでくる。

ワイエスって、水彩画家だなあ。


「粉挽き小屋」

The Mill (Tempera on panel, Philadelphia Museum of Art, Andrew Wyeth)

この絵が、今回一番心に響いた。

手前の鉄線の柵に水害の後の草がからまって風にそよいでいる。
その向こうに2軒の小屋が見える。

そんな絵。

この絵の前に立つと、自分がその世界に吸い込まれて、
そこに立っているような錯覚に陥る。

絵が描かれたその時間と場所に
タイムマシーンにのって移動したような・・

言葉では書けない「何か」を 強く感じる。

人間のむなしさ?
静けさのなかに・・・この気持ちは何?

前世のどこかで、出会ったような世界。
夢で見た風景。
デジャブの時の感覚に近い・・・

もうちょっとで思い出せそうなのに、 どんどん忘れていく、
そんな、切ないような感じ。

こんな不思議な気持ちにさせてくれる絵を描けるなんて

やっぱりワイエスって魔術師?

展示会場内にビデオコーナーがあって、
ワイエスがしゃべっているのを始めて見ることができた。
しゃべるのを見ると、その人の人となりがわかる。